トレビ

新所沢駅の東口はとても居心地の良い空間だ

商店街が駅前ロータリーを起点にT字状に広がるが、どの方向に伸びる道も長すぎず短すぎずでコンパクト

飲食店が多く目に付くものの生活に必要な商品はだいたい揃っているのではないだろうか

今回紹介する『トレビ』は東口のロータリーから、大通りへ向けて歩いてすぐの場所にある老舗パン屋である

見るからに歴史と風格のある店構えで、昭和の名残を残す趣をまとっている

中に入ると、右手にゆったり回遊できるパンの陳列、左手にケーキのショーケースがお出迎え

実はここ、店の奥がイートイン施設となっており、レジでスイーツや飲み物なども注文できる

内装はキレイに整っているものの、現代のカフェというよりも相応のレトロ感は漂っている

でもそれが落ち着くのだ

都心のカフェにあるような窮屈だったり、PCを開いてメールチェック…などという慌ただしさから程遠い

好きなものを食べながら、誰にも邪魔されず自分の時間をゆっくり楽しむ、という感覚に近いだろうか

イートインカフェの王道の楽しみ方がここにはある

パン自体も老舗とはいえ、時代に合わせたスタイルと味を追求していて老若男女楽しめる内容だ

中にはちょっと見慣れない「なんだこれ…」的な見た目のパンも鎮座している

しかし食べてみるとその完成度たるや、驚かされることもしばしばである

老舗パン屋が後継者不足や時代の波に飲まれて消えてしまう昨今、この店の努力には頭が下がる思いだ

古き良き雰囲気を残しながらも新しい発見のあるお店づくり

それこそが発展を終え、一段落した街の次の生きゆく姿なのかもしれない

新所沢の味と風景の代表として、世代を超えて残していきたいパン屋である

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